#70 小田原の製材所見学【大山材木店】

【福井尚子・高志】


小田原で製材所を営む大山さんを訪ね、大山材木店を見学させてもらいました。二宮団地の魅力の一つ、リノベーション済みのお部屋の床には、小田原杉が使われているのですが、その杉材を製材されているのが大山さん。お食事会議で何度もお会いする内に、今回の見学が実現しました。


小田原の二宮神社や小田原城にも製材を提供したという大山材木店は、大山さんのひいおじいさんが東海道沿いで木の伐採を始めたのがきっかけでスタートしたとのこと。大山さん自身は、食肉加工食品メーカーにお勤めされた後に家業に入られたそうです。

現在の職員は、大山さんのお父様や70代の職人さんなど8名。山に囲まれた敷地には大きな製材機があり、それ以外の場所には様々な種類、様々な大きさの木材が所狭しと並べられています。

(製材機)

大山さんのお店では、手間をかけた昔ながらの方法で製材が行なわれており、例えば木の乾燥は天然乾燥にこだわっています。人工乾燥に比べると時間はかかりますが、木に含まれる油が飛びにくいなど色々なメリットがあるそうです。


大量の木材に圧倒されますが、実はこれが全てではないようで、丸太が置いてある材木店近くの森林組合も見学させてもらいました。

色んな太さの丸太がありますが、実はどれも同じ年数のものだそう。確かに言われてみると太いものほど年輪の間隔が広いことに気付きます。

(小口には丸太の太さを表す数字が書いてあります。)


同じように見える丸太も、一本一本に注目するとそれぞれ個性があり、反り具合や色味、節や木目を見ながら、どこをどう切れば何に使えるのか、というのを考えるそうです。

ちなみに、上の写真は杉の丸太ですが、この周りの白みがかった部分から二宮団地の床材が切り出されているそうです(真ん中の赤みがかった部分も有効活用できるアイディア募集中)。杉は柔らかく傷もつきやすいため床材に使われることは多くないとのことですが、二宮団地の床はその厚さから大山さんのこだわりが詰まったものになっています。その甲斐あって、先日は入居者の方から「床が柔らかいせいで膝が痛くない」との声をもらった、と本当に嬉しそうな声で教えてくれました。


様々なお話や木にまつわる知識を約2時間、たくさんレクチャー頂いて、奥深い木の世界に触れることができ、知的好奇心がすごく満たされました。そんなお話を伺う中で強く感じたのは、大山さんの、「木」と「木を扱う仕事」への愛と、お父様へのリスペクト。

お父様をお手本に、もっと木のことを知りたい、技術を磨き勉強し続けないといけない、と語る姿が印象的でした。そんな木を愛する大山さんは、年30回ほど幼稚園で木に関する講座を担当し、未来の木材のファンを増やす活動にも取り組まれています。

なかなか訪れることの出来ない製材所で、普段聞けないようなお仕事の話を聞くことができ、本当に楽しい時間を過ごすことができました。実は今回の見学の目的の一つでもあった、ダイニングテーブル用の一枚板も、大山材木店さんから購入させて頂くことが決まり、到着が楽しみです。

大山さん、お忙しい中ご丁寧に対応いただき、本当にありがとうございました!

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