#375 「小田原森林見学・体験ツアー」五感で学ぶ森と木のこと

【福井尚子・高志】


きっかけは団地のお食事会議でもらった1枚のチラシ。そこには団地を管理する神奈川県住宅供給公社が主催するイベント「小田原森林見学・体験ツアー」の案内が書いてありました。

娘も小学生になって、最近家族で学びの場に足を運ぶのが楽しくなっている私たち。

2025年11月15日に開催されたイベントに参加してきたので、今日はその模様をレポートします。


今回のイベントは、公社が小田原地区木材林業協働組合と協働で取り組むイベントです。

団地の部屋に、県内産の杉を使ったプランを導入するなど、脱炭素社会の実現や地産地消による地域活性化に取り組んでいる公社。今回は、その延長となる木育の取り組みとして開催されたそう。


◯森林教室〜伐採見学

朝、小田原駅に集合し、マイクロバスで小田原市いこいの森近くにある、小田原市森林組合の貯木場へ。

まずはここで、森の必要性に関する紙芝居を見せてもらいました。

紙芝居をしてくれたのは、森林組合職員の案内役「村長」。


「森の役割って何があると思いますか?」の質問に、二酸化炭素を酸素に変える、雨を貯めて水を送る、などは思いつきましたが、他にもあるといいます。

答えは土砂崩れを防ぐ、地球温暖化を防ぐ、海や川に栄養を与える、というもの!

また昔と今の山の木の本数。てっきり昔のほうがいっぱいあったのではないかと思ったら、

今のほうが多いそう!

昔はエネルギー源だったためにすぐに使われてしまったり、戦争、さらに復興などでも木が失われる機会が多かったそう。

また、海外からも木材が入ってくるようになったことも影響しているとのこと。

ふむふむ知らないことばかりだなあ。

私たちにできることは、国産の木材を使うこと、という言葉に、なるほど、と頷きます。


続いて、伐採の現場を見に、森の中へ!

道の途中、村長が森の植物のことを色々と教えてくれます。

杉の赤ちゃん!


染め物に使えるクサギ


しばらく散策を楽しんだところで、木こりの方が、杉の木を切る様子を見学します。

今回切る木は、木の途中の部分に傷があり、少し弱っているため間引くのだそう。間引くことで光がよく入り、周りの木もすくすくと育つことができます。


木こりさんは、倒れる方向に空間があること、人や動物などがいないことを確認して切り倒していきます。


大きな木が倒れるところは大迫力!「おぉ〜」という声があがりました。


大きなチェンソーを使う木こりの仕事はリスクの高い仕事でもあるそう。だけれどこうして木を伐採してくれる方がいるから、私たちは木を使うことができるのですね。

切り倒された後の木は、遊び場になっていました。


◯昼食

貯木場へ戻ってお昼ご飯。木材林業協働組合の方につくっていただいた豚汁が沁みます。


◯製材見学

徒歩で製材所へ移動。お食事会議の常連で顔なじみの大山さんが働く、大山製材所さんです。私たちも以前、こちらでテーブル用の木を製材していただいたことがありました。


まずは大山さんから木のお話。クスノキの香りを嗅いだり、ニッキの粉を舐めてみたり(甘くておいしい!)。

続いてみんなで丸太をお掃除!とても強いタワシ(ブラシ?)のようなもので研磨すると、みるみるきれいになっていきました。


次に、丸太がどのように木材になっていくかを見せてもらいます。

ひとつの丸太が3人のチームワークで鮮やかに切られていきます。


木を切る機械を操作する大山さんのお父さんは、例えば家の柱、建具など、どんなところに使われるのかを考えながら幅を見定めて切っているとのこと。

長年の経験と知識があるからこそできる、職人のお仕事です!!


◯木工教室

最後は、小田原産の木材を使った木工教室。

時計、貯金箱、小物入れのどれか一つをつくることができたのですが、我が家は3人でひとつずつ申し込みました。


貯金箱と小物入れはトンカチと釘を使った組み立て体験ができます。

(娘は完成後、マーカーで絵を描かせてもらっていました)

時計は木の実などを使って文字盤をデザインする体験ができました。

自分で作った時計。お気に入りです!


15時にすべての体験が終了し、帰りはマイクロバスで小田原駅まで送っていただきました。


森の気持ち良い空気を感じながら、五感を使い、手を動かして学んだ一日。

森から木を切り出すところから、製材し、使うところまで、ひとつのストーリーとして体験できたのがとてもよかったです。

身近にあるけど知らなかった森や木のことを学ぶことができて、ますます国産の木材を大切に使って行きたいと思いました!!

貯木場にて、娘が「この木は100歳なんだって」と教えてくれているところ。


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